オウンドメディアとは意味や運用目的、企業成功事例を紹介
オウンドメディアは、企業のブランド成長と成功の重要な役割を果たします。本記事では、マーケティングとブランディングに必要不可欠なオウンドメディアについて詳しく解説します。
成功の秘訣は、単に情報を発信することではなく、独自の価値を生み出し、顧客との強い絆を築く戦略にあります。どのように、オウンドメディアを効率よく運用し、ブランド価値を向上させ、更には人材採用にも寄与させるのかについて、実際の事例を交えながら、その方法と成果、そして構築から運用に至る具体的なステップを紐解きます。
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オウンドメディアとは
オウンドメディアとは、企業や組織が自らのコントロール下で運営し、直接的にコンテンツを制作、公開、配信するメディアのことです。このメディアは企業のブランディングやマーケティング戦略の一環として、自社のメッセージや価値観を反映した情報を伝えるために利用されます。
主な特徴は、外部のプラットフォームやメディアに依存せず、コンテンツに対する完全なコントロールと所有権を持つ点です。
オウンドメディアに含まれるもの
以下メディアを戦略的に組み合わせることで、オウンドメディアを効果的に活用し、ブランディングやマーケティングの目的を達成することが可能です。重要なのは、各コンテンツがブランドのメッセージと一貫していること、そしてターゲットオーディエンスに価値を提供することです。
オウンドメディアの各要素とその主な役割をわかりやすい表にまとめました。この表は、ブログ記事やウェブサイトでの掲載に適しています。
オウンドメディアの要素 | 主な役割 |
---|---|
コーポレートサイト(サービスサイト) | ・企業の基本情報、製品・サービスの詳細、お問い合わせフォームなどを設置 ・ブランドの顔としての機能 |
ブログ | ・教育的なコンテンツや業界のトレンド分析を提供 ・ターゲットオーディエンスの関心事に関連するトピックを取り上げる |
ソーシャルメディアアカウント | ・ブランドの最新情報、イベント、プロモーションの共有 ・フォロワーとの直接的なコミュニケーションを通じたエンゲージメントの高め |
ニュースレター | ・企業の最新情報や特別オファーの提供 ・顧客データベースの構築とパーソナライズされたマーケティングへの活用 |
電子書籍やホワイトペーパー | ・専門的な知識や業界の深い洞察の提供 ・ブランドの専門性と信頼性の向上、リード獲得のための資料としての活用 |
動画コンテンツ | ・製品紹介、チュートリアル、企業文化の紹介など、ビジュアルに訴求する情報の提供 ・YouTubeなどで広いオーディエンスにリーチ |
ポッドキャスト | ・移動中や作業中のリスナーに向けた特定のトピックに関する深い洞察や話題の提供 ・オーディエンスとの新たな接点の作成 |
企業がオウンドメディアを運営するメリット・デメリット
企業がオウンドメディアを導入することには、さまざまなメリット・デメリットがあります。
メリットとデメリットを理解して、自社の状況や目的と合致しそうかどうかのイメージのご参考になればと思います。
企業がオウンドメディアを導入するメリット
企業がオウンドメディアを導入するメリットは下記の6つです。
- 比較的安価な初期投資で立ち上げることができる
- 安定した集客を期待できる
- 広告費の低減・削減につながる
- 競合が少なく優位に立ちやすい
- 認知度や信頼度向上を目指せる
- 比較的簡単に外注できる
比較的安価な初期投資で立ち上げることができる
オウンドメディアの運営費用は以下のとおりです。
- 制作費用の相場:約100〜500万円程度
- サーバー・ドメイン代:月数千円
自社で運用すれば、外注コストはかかりません。つまり、月数千円程度の支出で大きな効果を期待できます。
外注する場合も、月々5〜30万円が相場です。ファストマーケティングの調査によると、約6割の企業が30万円未満でオウンドメディアを外注しています。
営業マンを一人雇うことと比べれば、非常に安価です。さらに、離職してしまう可能性がある人材と比べ、オウンドメディアは半永久的に残り続けます。このように、資産としての価値も期待できるのがオウンドメディアの強みです。
安定した集客を期待できる
オウンドメディアを持つことで、安定した集客を期待できます。例えば、どれだけ優秀な営業マンでも、毎月数百件のリードを獲得することは不可能です。
しかし、オウンドメディアなら簡単です。実際に、Webマーケティングメディアとして有名なferretは、オウンドメディアで月間1,500件のリードを獲得しています。
もちろんオウンドメディアを軌道に乗せることは、容易ではありません。しかし、このように、うまくいくと低コストで大きなリターンを得られる可能性があるでしょう。
オウンドメディア運用を成功させるために欠かせないWebマーケティング対策がSEO対策です。SEO対策概要や企業のSEO対策取り組み方を知りたい方は以下記事をご覧ください。
関連記事:【2023年最新】SEO対策やり方とは?初心者でも上位表示させる方法を解説。
関連記事:【完全版】BingのSEO対策ノウハウと情報を全て公開
広告費の低減・削減につながる
企業でオウンドメディアを持つと、広告費の低減・削減につながることもあります。
メディアを運用する目的はさまざまですが、認知度の向上やサービスや商材の購入、問い合わせなども挙げられます。場合によっては、リスティング広告をして顧客を獲得したりできますが、広告費を抑えたいならSEO対策がおすすめです。
SEO対策とは、特定のキーワードで上位を獲得するための施策のことを指します。外注費はかかりますが、業者に依頼したあとに内製化する企業も少なくありません。トータルで考えた場合、リスティング広告を出すよりもコストパフォーマンスは高いことも多いです。
認知度や信頼度向上を目指せる
オウンドメディアは、正しく継続的に運用していくと業界や見込み顧客からの認知度や信頼度の向上につながる可能性を大きく秘めています。
マーケティング等で使われる心理学の一つとして「単純接触効果」と呼ばれるものがあります。これは接触(見たり聞いたり、会ったりすること)するほど、好きになっていく現象のことです。
ある刺激に触れれば触れるほど,それを好きになっていく現象を単純接触効果といいます。この現象は1960年代後半にザイアンス(Zajonc, R. B.)によって取り上げられ,主に社会心理学の分野で研究が進められてきました。近年では認知心理学や感性工学などの分野における研究も増えつつあります。 出典:公益社団法人日本心理学|繰り返し接しているうちにどんどん好きになるのはなぜ? |
オウンドメディアを持つと、Googleで表示されたりSNSで引用されたりして、認知される機会が増えます。その回数が増えれば増えるほど好意を持たれやすくなり、間接的に売上の向上やブランド力の増加につながるでしょう。
比較的簡単に外注できる
オウンドメディアの運用を継続していくためには多くの人的、時間的リソースが必要です。そこで、上手く外注することでリソースを割かずに効率よく運用することも可能です。実際に、約3割の企業が「外注して続けていきたい」と考えています。
ここで大切なのが「外注先を間違えないこと」です。外注先を間違えてしまうと、コストを回収できないどころか企業のイメージダウンにつながりかねません。
関連記事:SEO対策の外注費用相場を施策別の【料金早見表】で解説。
企業がオウンドメディアを導入するデメリット
企業がオウンドメディアを導入するデメリットは下記の4つです。
- 発信し続けなければならない
- SEO対策のスキルやノウハウが必要
- 成果が出るまで時間がかかる
- 人や時間のリソースが必要になる
発信し続けなければならない
オウンドメディアを作成したあとは、定期的に発信をし続けなければなりません。
実際に、SiriusDecisions(※現Forrester)の調査によると、何も発信しなければ「見込み客の8割が2年以内に競合の製品を購入する」とわかっています。「作って終わり」とならないよう注意しましょう。
上位表示に必要な最低限のライティングスキルや、Googleのアルゴリズムを理解したうえでの内部対策の実施などが挙げられます。
成果が出るまで時間がかかる
オウンドメディアは、成果が出るまで時間がかかることもデメリットとして挙げられます。
株式会社ベーシックの調査によると、60%以上の企業が1年以上かかっています。
このように、すぐに大きな効果は期待できないため、長期目線で取り組むことが重要です。
「できるだけ早く売上を改善したい」
「コンバージョンを取りたい」
こう考える場合、オウンドメディアより先にリスティング広告の運用がおすすめです。リスティング広告は適切な戦略(キーワードやターゲットの設定、カスタマージャーニーマップの作成など)を取ることで、その日のうちにコンバージョンを獲得できる可能性があります。
人や時間のリソースが必要になる
オウンドメディアの作成や運用には、人や時間のリソースが必要です。良いオウンドメディアを提供するためには、定期的に質の高いコンテンツ作成が求められるためです。
テクロ株式会社の調査でも、多くの企業が「リソース不足」を課題に感じています。
具体的なリソース不足の例を挙げると、以下のとおりです。
【オウンドメディア運用によるリソース不足の例】
- コンテンツ作成者がそもそもいない
- アナリティクスを分析できる人がいない
- オウンドメディアそのものを管理できる人がいない
このような状態で運用したところで、成功はしません。そのため、これらのデメリットを実感しないためにも、以下の対策を実施しましょう。
【効率よくオウンドメディアを運用するコツ】
- 中長期での運用を視野に入れる
- 専門業者にSEOの依頼をかける
(契約終了後にゆくゆくは内製化する)
SEOは、すぐに効果が出るわけではなく、中長期スパンの運用を視野に入れなければなりません。内製化するまでは、専門業者に依頼をかけたほうが安心です。
ただ、中には「できるだけ自社ではじめたい」という企業もあるでしょう。そこで、オウンドメディアを自社運用する際に必要な「コンテンツ制作のお助け資料」を用意しました。これからオウンドメディアを運営する場合、ぜひこちらの資料をお役立てください。
SEO対策に強い記事とは何か? コンテンツSEOの基本から、SEO対策に強い記事を作成するためのテクニックを知りたい方は、SEO記事の書き方【19原則】文章構成の作成方法を詳しく解説をご覧ください。
企業におけるオウンドメディアの役割
オウンドメディアは、企業が自らの声を持ち、独自の視点で情報を発信するための強力なツールです。このメディアを通じて、企業は自社のコンテンツ戦略を強化し、ブランディングやマーケティングの目標を達成することができます。また、リクルーティングにおいても、企業文化や求人情報を効果的に伝える手段として利用されています。
以下にオウンドメディアが持つの役割について紹介します。
ブランドアイデンティティの強化
オウンドメディアは、企業の個性や価値観を反映し、顧客に対して一貫したブランドイメージを構築します。これにより、ブランドへの信頼と認知度を高めることができます。
直接的な顧客とのコミュニケーション
企業はオウンドメディアを通じて、顧客に直接情報を提供し、フィードバックを受け取ることが可能です。これにより、顧客ニーズの把握や関係構築が容易になります。
コンテンツマーケティング
このように、オウンドメディアは、企業が自らのブランドや価値を効果的に伝え、顧客や求職者との関係を深めるための強力なツールです。正しく活用することで、マーケティングやリクルーティングの成果を大きく教育的で有益なコンテンツを提供することで、顧客に付加価値を提供し、製品やサービスへの関心を喚起します。
関連記事:コンテンツSEOの極意とは検索順位とCV数を向上させる戦略伝授
リクルーティング
企業文化の紹介
オウンドメディアを活用して、企業文化や働く環境を紹介し、求職者にとって魅力的な職場であることをアピールできます。
社員の声の共有
社員インタビューや日常の業務風景を通じて、企業の内部を見せることで、よりリアルな企業像を伝えることができます。
SEO(検索エンジン最適化)の強化
質の高いオリジナルコンテンツは、検索エンジンでの可視性を高め、ウェブサイトへのトラフィックを増加させます。
SEO対策概要を理解されたい方は、2024年最新のGoogleがサイトを評価する「ルール」と「評価基準」をまとめた「SEO対策とは?初心者でも1から効率よく上位表示させる方法手順を網羅解説 」をご覧いただくとSEO対策を体系的に理解して頂けるかと思います。
オウンドメディア成功の定義とは
オウンドメディアの成功は、単に多くの訪問者を獲得することだけではありません。真の成功とは、ブランドの価値を高め、顧客との長期的な関係を築くことです。オウンドメディア運営の成功は、複数の要素によって定義されます。以下に、その主な要素を具体的に解説します。
ブランド認知度の向上
- 目標:オウンドメディアを通じて、企業のブランドや価値観をより広く認知させること。
- 評価指標:ウェブサイトの訪問者数、ソーシャルメディアのフォロワー数、コンテンツの共有数など。
顧客エンゲージメントの向上
- 目標:顧客との相互作用を促進し、ブランドに対する関心と忠誠心を高めること。
- 評価指標:コメント、いいねの数、シェア数、メールマガジンの購読者数など。
コンバージョンの向上
- 目標:訪問者をリードや顧客に転換させ、最終的に売上に貢献すること。
- 評価指標:ウェブサイトのコンバージョン率、購入数、問い合わせ数など。
関連記事:CVR(コンバージョン率)とは?業界平均基準と改善方法を解説。
SEO(検索エンジン最適化)の成果
- 目標:検索エンジンでの可視性を高め、自然検索からのトラフィックを増やすこと。
- 評価指標:検索エンジンにおけるランキング、キーワード別のトラフィック、被リンク数など。
オーディエンスの洞察と市場への適応
- 目標:オーディエンスからのフィードバックを通じて、市場のニーズや傾向を理解し、それに応じて戦略を調整すること。
- 評価指標:顧客からのフィードバック、アンケート結果、行動分析データなど。
リクルーティング反響増
- 目標:オウンドメディアを通じて、企業文化を伝え、優秀な人材を惹きつけること。
- 評価指標:求人への応募数、採用成功率、求職者からのフィードバックなど。
オウンドメディアの成功は、ブランド認知度の向上、顧客エンゲージメント、コンバージョンの増加、SEOの成果、市場への適応、コンテンツの質、そしてリクルーティングへの影響といった複数の要素によって測定されます。これらの要素を総合的に評価し、PDCAサイクルを通じて継続的に改善を図ることが、オウンドメディア運営の成功への鍵となります。
オウンドメディアの目標設定方法とKPI管理
オウンドメディアを成功させるためには、まず自社におけるオウンドメディアの成功をしっかり定義することが大切です。定義を明確化したら、次に具体的な目標設定をします。
具体的なKGI設定
SMART(具体的・測定可能・達成可能・関連性・期限)原則に基づき、オウンドメディアを通じて達成したい目標を設定します。
例えば、「6ヶ月後にウェブサイトの訪問者数を20%増加させる」「1年後に問い合わせ数を30%増加させる」などです
次に、目標達成を測定するためのKPIを選定します。
オウンドメディアのKPI一覧
オウンドメディアの運営において、KPI(重要業績評価指標)の設定とPDCAサイクルの適切な運用は、目標達成に向けた重要なステップです。以下に、KPIの設定方法とPDCAサイクルの回し方について具体的かつ詳しく説明します。
- 訪問者数:
- サイトやブログのトータル訪問者数。トラフィックの規模を示します。
- ページビュー:
- 閲覧されたページの総数。コンテンツの関心度を示します。
- エンゲージメント率:
- コメント、シェア、いいねの数。ユーザーの関与の深さを測ります。
- 滞在時間:
- ユーザーがサイトに滞在する平均時間。コンテンツの魅力を示します。
- コンバージョン率:
- 訪問者がリードや顧客に転換する割合。ビジネスへの貢献度を測ります。
- SEOランキング:
- 重要なキーワードでの検索エンジンランキング。オンラインでの可視性を測ります。
- 求職者応募数/求職者の質
自社サイトのアクセス数を知るためには、運営するウェブサイトにGoogleアナリティクスという、Googleが無償で提供しているツールをサイトに導入する必要があります。詳しくは【競合他社】サイトのアクセス数・PV数を調べる方法をご覧ください。
目標値の設定
次にKGIと各KPIに対して、期間内に達成すべき具体的な目標値を設定します。
計画(Plan)目標とKPIに基づいて、コンテンツ戦略、SEO戦略、プロモーション計画などの具体的な計画を立てます。
実行(Do)計画に基づき、コンテンツ制作、ウェブサイトの最適化、マーケティング活動を実行します。
評価(Check)KPIを定期的に測定し、目標達成度を評価します。アナリティクスツールを使用してデータを収集し分析します。
改善(Act)分析結果を基に、戦略やコンテンツを調整し、目標達成に向けた改善策を実行します。
PDCAサイクルは継続的なプロセスです。定期的にレビューを行い、必要に応じて戦略を調整します。
市場やユーザーの動向に応じて、柔軟に戦略を変更することが重要です。
目標とKPIはチーム全員で共有し、一丸となって取り組むことが成功への鍵です。
オウンドメディア構築までの5ステップ
オウンドメディアの成功は、戦略的な計画とターゲットオーディエンスのニーズに合った高品質なコンテンツ、効果的なプロモーション、パフォーマンスの定期的な分析と改善、そしてオーディエンスとの持続的な関与によって実現されます。これらの要素を総合的に管理し、継続的に努力を続けることが、オウンドメディアの成功への鍵です。
ステップ 1: 戦略の策定
このように、最大限の効果を発揮するにはゴールから逆算することが大切です。ゴールを設定しないままコンテンツを作り始めると、費やしたリソースが無駄になってしまいかねません。
成功するパターン | 失敗するパターン |
全体的なゴールを決める ▼ KPIを設定する ▼ 必要なコンテンツを作る ▼ 成果を分析し、改善する ▼ 最大限の効果を発揮できる | コンテンツを作る ▼ ゴールがわからないため、どのようなコンテンツを作ればいいかわからない ▼ ユーザーのニーズを満たすコンテンツにならない ▼ リソースが無駄になる |
- ターゲットオーディエンスの特定:誰に向けてコンテンツを作るのかを明確にします。例えば、業界の専門家、潜在的な顧客、求職者など。
- 目標の設定: ブランド認知度の向上、リードジェネレーション、採用活動のサポートなど、具体的な目標を設定します。
- マーケティング・プロモーション戦略の策定
- コンテンツ戦略の策定: 記事、ビデオ、インフォグラフィックなど、どのようなコンテンツを提供するか決定します。
- 予算の設定
- 人員の確保
ステップ 2: CMSの選定
CMSとは「Content Management System」の略で、直訳すると「コンテンツ管理システム」となります。これは、ウェブサイトの内容を簡単に管理・公開するためのシステムです。ウェブサイトのテキストや画像などのコンテンツを、専門的なプログラミング知識がなくても、簡単に追加、編集、削除できるようにするためのツールです。
CMSの利点は、ユーザーがウェブサイトのデザインや構造を深く理解しなくても、直感的にコンテンツを管理できる点にあります。例えば、ブログ記事を書いたり、商品情報を更新したり、ニュースを公開したりする場合、CMSを使うことで、これらの作業を効率的に行えます。また、多くのCMSには、複数の人が異なる権限でサイトを管理できる機能も備わっています。
代表的なCMSには、WordPress、Joomla、Drupalなどがあります。これらはそれぞれ異なる機能やデザインのカスタマイズ性を持ち、さまざまな種類のウェブサイトの要求に応じて選ばれます。
- ウェブサイトの構築オウンドメディアのためのウェブサイトを作成します。ユーザーフレンドリーでブランドのイメージに合致したデザインが重要です。
- CMSの選定コンテンツ管理システム(CMS)を選び、コンテンツの投稿や管理を効率的に行えるようにします。
- ドメインの選定既存ドメインの下層ディレクトリで作成するか新規でドメインを取得するか。ドメインとは「インターネット上の住所」にあたり、WebサイトのURLや、メールアドレスを識別するためにドメインが存在します。例えば、弊社サイトのURLでは「https://leadnine.co.jp」の「leadnine.co.jp」部分がドメインにあたります。
そしてGoogleはサイトの信頼性を評価するためにドメインへの被リンクの数やドメイン取得年数など総合的観点からサイトの信頼性を評価して順位付けの参考にしています。そのためドメインパワーを見ることでSEO対策をする際、上位表示可能性を予測するための有効な指標の一つとなっています。
ステップ 3: コンテンツの制作
- 高品質なコンテンツを制作する体制構築ターゲットオーディエンスにとって価値がある、教育的でエンゲージメントの高いコンテンツを制作します。
2.コンテンツ作成スケジュールの策定いつ何を公開するかを計画し、一貫性を保ちます。
ステップ 4: ツールの導入
効率化や分析に必要なツールを導入します。詳しくは次章で解説します。
ステップ 5: 効果計測/ 分析と改善
- パフォーマンスの測定Google Analyticsなどのツールを使用して、トラフィック、エンゲージメント、コンバージョンを追跡します。
- フィードバックの収集と改善ユーザーからのフィードバックを活用し、コンテンツと戦略を継続的に改善します。
オウンドメディア構築、運営に活用できるツール
オウンドメディアを運営する際には、様々なツールを活用して効率的かつ効果的な運営を行うことが重要です。以下に、オウンドメディア運営に役立つ主要なツールのカテゴリーと具体的な例を挙げます。
コンテンツ管理システム (CMS)
- WordPress: 柔軟性が高く、多機能なプラグインでカスタマイズが容易です。
- Joomla!: 拡張性が高く、多言語対応が可能です。
- Drupal: 高度なカスタマイズとセキュリティが特徴です。
MA(マーケティングオートメーション)ツール
オウンドメディア運営において、効果的なマーケティングオートメーション(MA)ツールを導入することは、リードの獲得、顧客エンゲージメントの向上、コンテンツのパーソナライズ、効率的なマーケティング活動の実施に大きく寄与します。以下に、オウンドメディア運営におすすめのMAツールをいくつか紹介します。
HubSpot
- 特徴: HubSpotは、非常に包括的なMAツールで、CRM機能、メールマーケティング、コンテンツ管理システム(CMS)、ソーシャルメディア管理など多岐にわたる機能を提供します。
- 適用性: リード生成から顧客関係管理、コンテンツの最適化まで、オウンドメディアの全ての側面を支援します。
Marketo
- 特徴: Adobeによって提供されるMarketoは、高度なリード管理機能、メールマーケティング、イベント管理などを備えています。
- 適用性: より大規模で複雑なマーケティング活動に最適で、詳細なトラッキングとレポーティング機能が強みです。
Pardot
- 特徴: SalesforceによるPardotは、B2Bマーケティングに特化したツールで、リードの獲得から育成、スコアリングまでの機能を提供します。
- 適用性: Salesforceとの統合が魅力で、顧客データを活用した高度なマーケティングオートメーションが可能です。
SEO(検索エンジン最適化)ツール
- Google Analytics: ウェブサイトのトラフィックとユーザー行動を分析します。
- SEMrush: キーワードリサーチ、競合分析などに有用です。
- Ahrefs: バックリンク分析やSEOの監視に役立ちます。
コンテンツ作成・編集ツール
- Canva: ビジュアルコンテンツの作成に便利です。
- ChatGPT: 構成案やライティングを自動で生成してくれます。
- Adobe Creative Suite: 写真やグラフィックの高度な編集に利用できます。
ソーシャルメディア管理ツール
- Hootsuite: 複数のソーシャルメディアアカウントを一括管理します。
- Buffer: 投稿スケジューリングや分析機能があります。
- Sprout Social: ソーシャルリスニングやエンゲージメント追跡に優れています。
メールマーケティングツール
- Mailchimp: ニューズレターの作成と配信に適しています。
- SendinBlue: メールキャンペーン管理とオートメーション機能があります。
- Constant Contact: 初心者にも使いやすいインターフェースです。
アナリティクス・データ分析ツール
- GA4:サイトに訪れたユーザーの動きを分析します
- Google Search Console: ウェブサイトの検索パフォーマンスを追跡します。
- ルッカースタジオ: 複雑なデータを視覚化して分析します。
- クラリティ: ヒートマップやユーザー行動の分析に利用します。
これらのツールは、オウンドメディアのコンテンツ制作、配信、分析、改善の各段階で役立ちます。ただし、使用するツールは、企業の具体的なニーズ、規模、運営スタイルに応じて選択することが重要です。
オウンドメディア構築後の運用管理
オウンドメディアを構築した後、企業のマーケティングやブランディングに関心があるターゲットユーザーに向けて継続的に実施するべき具体的なアクションは以下の通りです。
コンテンツの継続的な更新と品質向上
- 定期的なコンテンツ配信ユーザーが新しい情報を求めて定期的に訪れるように、コンテンツを一定のリズムで更新します。
- 高品質なコンテンツ制作ユーザーにとって価値のある、教育的またはエンターテイメント的なコンテンツを提供します。詳しくは「SEO対策の記事書き方【19原則】文章構成の作成方法を詳しく解説」をご覧ください。
- 既存記事のリライトリライトとは、既に作成してサイトに公開した記事をよりGoogleやユーザーに評価される満足度の高い記事にするため、内容を修正することを指します。詳しくは「SEOリライトとは?効果を最大化する記事選び方とタイミングとは?」をご覧ください。
- 実績事例ページの更新ブランディングやマーケティングのヒント、事例研究、業界のトレンド分析などを取り入れます。
- ホワイトペーパーの作成ホワイトペーパーは、特定の問題や業界に関して深い洞察と詳細な情報を提供するため、訪問者にとって高い価値があります
SEO(検索エンジン最適化)の強化
キーワード戦略の実施
ターゲットユーザーが検索しそうなキーワードを研究し、それらをコンテンツに組み込みます。競合サイトに効率よく検索上位表示させるためのキーワード選定する基準と実際の選定の手順を詳しく知りたい方は「SEOキーワード選定のやり方(コツ)初心者でも1から実践できる選び方手順をお伝えします」をご覧ください。
サイトの技術的最適化
ロード時間の短縮、モバイルフレンドリーなデザイン、内部リンク戦略の強化などを行います。
【内部SEO対策について詳しく知りたい方向け】内部SEO対策とは?の疑問を全て解決!初心者でもわかりやすく対策手順を図解。
SEO効果のある内部リンク設定方法を知りたい方は「内部リンクとは?SEO効果の高い内部リンク対策」をご覧ください。
ソーシャルメディアとの統合
- コンテンツのプロモーション
- YouTube動画投稿
- フィードバックの収集と対応ユーザーの意見や質問に積極的に応答し、コミュニティを構築します。
メールマーケティングの活用
- ニューズレターの配信定期的なニューズレターを通じて、新しいコンテンツや特別オファーを紹介します。
- パーソナライズされたコンテンツ提供ユーザーの興味や行動履歴に基づいたカスタマイズされたコンテンツを提供します。
分析と改善
- トラフィックとエンゲージメントの分析 Google Analyticsなどのツールを使用して、ユーザーの行動を分析します。
- コンテンツの効果測定と改善どのコンテンツが最も効果的かを評価し、継続的に改善します。
オウンドメディアを成功させるために大切なこと
オウンドメディアを成功させるために必要な要素はたくさんありますが、これだけは成功するために欠かせないと筆者が考えるポイントを紹介します。
中長期的な視点で考える
まず大切なことが、成果を短期で求めない追わないことです。成果を短期で求めたり、追ったりしてしまうとコンテンツ質の低下を招いたり、方針がぶれたりするため、結果的に中長期的にオウンドメディア運営を成功させることが不可能となります。
数年、十数年後の事業展望を見据えて、長い目で継続的に発信すること成功の秘訣です。
ツールを活用する
目的に応じたツールをどれだけ活用できるかも、オウンドメディアを成功させるために非常に大切な要素です。ただ経験がないとツール選びも上手くいかないことがほとんどのため、オウンドメディアを立ち上げる段階で経験者をチームに参加させることをお勧めします。
社内で見つからない場合は、内製化を見据えて外部の会社に委託することをお勧めします。依頼先は、デジタルマーケティングを包括的に支援している会社を選ぶことが大切です。
BtoBのオウンドメディア立ち上げに不安がある方は、リードナインにご相談ください。リードナインの強みは下記のとおりです。
- BtoB企業のマーケティング支援を専門にしている
- オウンドメディア立ち上げ以外にも包括的にサポートできる
- 約6ヶ月でリード獲得から受注までの仕組みを構築
BtoB専門 オウンドメディア立ち上げ運用支援
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質の高いコンテンツを作成する
結局のところユーザーの検索ニーズを満たし、読者満足度の高い記事を作成するためにはページや記事を作成するための時間を多くとる必要があります。
時間をかけたから高品質な記事を作成できるわけではありませんが、高品質な記事は必ず作成するための時間が多くかけられています。弊社の場合ですが、あくまでご参考用ですがSEOで上位表示させるための記事作成にかける時間は1本10〜15時間ほどとなります。
継続的に発信、作成できる体制をつくる
担当者を選出しておくことで、コンテンツの軸がぶれることなくスムーズな運用に繋がります。サイト全体の一貫性を保って親しみやすいメディアにするためにも、担当者を決めておきましょう。
また、担当者の人選も重要です。これまでに新規事業の立ち上げを経験していたり、メディア運営の知見があったりする人が望ましいです。すぐに成果は見込めないため、長期的な目線でコツコツと取り組める適切な人を選出しましょう。
定期的に発信することは、オウンドメディアの認知度を上げて成功に繋げるために重要です。公開前に複数のコンテンツを準備しておくことで、余裕を持った発信ができます。ある程度コンテンツを投稿すると、流入傾向やニーズがわかります。データを分析し、方向性や内容を検討しながらも、定期的に発信することを心がけましょう。
企業のオウンドメディア成功事例
企業におけるオウンドメディアの成功事例はいくつかありますが、特に注目すべきいくつかを紹介します。
ユニクロ – UNIQLO LifeWear Magazine
ユニクロは、LifeWear Magazineを通じてファッションのトレンド、製品の背後にあるストーリー、ライフスタイルの提案などを発信しています。ブランドの哲学や価値観を伝えることで、顧客とのつながりを深めています。
資生堂 – hanatsubaki(花椿)
資生堂のオウンドメディア「花椿」は、ビューティー関連のコンテンツを中心に、文化やアートにも触れることで、ブランドの世界観を広げています。デジタルと紙媒体を融合させたアプローチが特徴です。
トヨタ自動車 – Toyota Times
トヨタはToyota Timesを通じて、企業ニュース、技術革新、エコカーへの取り組みなどを伝えています。ブランドの透明性を高め、顧客との信頼関係を築くための一環として機能しています。
味の素 – Ajinomoto Park
味の素は、レシピや食品に関する情報を提供するAjinomoto Parkを運営しています。ユーザーが日々の食生活に役立つ情報を得られるようにし、同時に製品への関心を高めています。
これらの事例から、日本の企業がオウンドメディアを通じて、製品やサービスのみならず、ブランドの理念や文化を伝え、顧客との関係を深める戦略を取っていることがわかります。これらのオウンドメディアは、単に製品を宣伝するだけではなく、顧客に価値ある情報を提供し、ブランドの魅力を高める役割を果たしています。
Unbounce
Unbounceは、おもに海外で利用できるLP作成サービスです。
BtoB向けのオウンドメディアで、LP作成に関してのHow to記事が投稿されていたり、ABテストなどの施策についてが掲載されています。
複合メディアとは異なり、完全に顕在層向けのメディアと言えるでしょう。
CV地点は、自社サービスへの誘導であり、記事内にUnbounceに誘導するためのCTAが確認できました。海外では、LP作成サービスとして知名度が非常に高いため、成功しているオウンドメディアの例といえるでしょう。
freshbooks
freshbooksは、中小企業向けのクラウド上請求・会計ソフトウェアです。
公式サイトにて、請求書発行や会計に関しての悩みを解決する記事を掲載しています。
BtoBオウンドメディアとして活用されており、ユーザーの役に立つような記事を更新するだけではなく、自社サービスへの導線も忘れません。freshbooksでは、トライアルキャンペーンを実施しており、記事の最下部や中盤などで、CTAが設置されています。
GE Reports
GE Reportsは、電機メーカーで有名なGE(ゼネラルエレクトリック)のBtoBオウンドメディアです。海外だけではなく、国内でも閲覧可能で、日本語にも対応しています。
掲載されている記事は、ジェットエンジンや最新テクノロジーなどのジャンルがメインです。BtoC向けの記事も充実しているため、複合的な情報サイトと言えるでしょう。
主なCV地点はメールマガジン登録であり、アドレスを入力するだけでOKです。
(メール認証の必要はありません)
intel IQ
ntel IQは、パソコンのCPUや半導体で有名なインテルが運営しています。BtoB向けのオウンドメディアであり、さまざまなニュースを取り扱っています。
具体例を挙げると、以下のとおりです。
【intel IQに投稿されている記事一覧】
- 教育系
- テクノロジー
- ビジネス
- 社会
- カルチャー
さらに、intelIQはインテルの従業員によって選ばれたコンテンツであり、有益な情報が掲載されています。明確なCV地点はなく、メールマガジン登録がメインです。しかし、毎回メールマガジン登録を促してくるようなことはありません。