ECサイトのSEO対策とやり方について
ECサイトのSEO対策は、エンジニアリング、コンテンツ、社内調整等さまざまなファクターを調整する必要がある非常に難しいジャンルになります。
だからこそ、きちんとSEO対策をすることで長期的に集客を見込み事業の成長を助ける強力なエンジンとなります。 コンテンツSEO、テクニカルSEOだけでなく、事業規模によるSEO戦略の違いについて解説しているので、ぜひ参考にしてください。
もし現在のSEO対策で大切な評価基準を理解できず、検索上位表示に苦戦されている方は、2024年最新のGoogleがサイトを評価する「ルール」と「評価基準」をまとめた「SEO対策やり方とは?初心者でも1から効率よく上位表示させる方法手順を網羅解説 」をご覧いただくとSEO対策を体系的に理解して頂けるかと思います。
関連記事:SEOキーワードの入れ方コツを公開。高確率で上位表示させる設定場所と数を伝授。
ECサイトがSEOを行うメリット
自社ECサイトがSEOを行うべき理由を解説します。
自社EC経由で顧客情報を保持しやすい
自社ECモールでのユーザー獲得のメリットは、顧客情報をダイレクトに活用できることです。
公式LINEアカウントやメールマガジン、SNSへの誘導といった総合的なチャネルへの誘導が可能になります。
また、サイト内回遊やポップアップの活用によりアップセルのチャンスが広がります。
長期的なユーザーとの接点を構築するためにも自社ECでの拡販は重要な意味を持ちます。
一度上げると、安定した集客が見込める
ECサイトが狙うKWは、BUYクエリと言われるユーザーが商品を購入する際に検索するKWになります。
基本的にそのKWね狙うECサイトかECモールしか新規参入してきません。そのため、一度上げてしまえば安定した新規顧客数を見込むことができます。
SEOはシェアの奪い合いの場所です。自社よりも上位表示しているECサイトに潜在顧客を獲得されている状態と考えることもできます。検索画面を通した売上は各社相反関係にあるため、自社の売上を伸ばしつつ他社のシェアを奪うことができるのです。
ECモールに手数料を取られず販売できる
自社ECのメリットは、ECモールに手数料を取られずに販売できる点です。
メーカーECサイト、卸売業者のECサイトにとってもECモールは拡販手段としては有効ですが、手数料は悩みの種です。EC直販であれば、ECモールに支払う手数料を節約することができるので利益率が大きく改善します。
ECサイトで効果的なコンテンツSEO対策
ページタイトルの見直し
まず、ECサイトで行うべきは「ページタイトルの見直し」です。サイトが大規模になればなるほど、「タイトルを変えるだけでアクセスが増える」ページが多く存在します。
特に、タイトルを自社担当者とHP制作会社のみで決定している場合はSEOの専門家を入れることで飛躍的にアクセスが見込める場合がり、短期的な効果にも繋がりやすいため優先して行います。
SEOに効果的なタイトルタグの付け方や押さえておきたいポイントについて詳しく知りたい方は、SEO評価の高いタイトル付け方【完全版】文字数と設定手順を解説をご覧ください。
獲得KWを明確化したPLP(Preferred Landing Page)最適化
ECサイトSEOで順位やトラフィックを落とす原因になるのが、カニバリゼーションです。
複数のページで意図せず、同じKWで順位がついてしまうことで評価が分散して、順位が下落してしまいます。
そのために、獲得したいKWと実際に上がっているページ(URL)を整理することでカニバリを防ぐだけでなく、SEO戦略全体のロードマップを引くことができるのです。
スマホで見やすいUI
一部の高額商材を除き、殆どのECサイトの売上はスマホユーザーによるものです。
スマホで決済しやすい、商品の特徴が見やすいことはECサイトにおいて重要です。
また、Googleは数年に渡り、モバイルファーストインデックスというスマホ画面での順位決定を進めており順位向上のためにもスマホのUI改善は大切です。
ページスピードの向上
ページスピードはECサイトの売上を大きく左右する要素の一つです。
Amazonが過去行なった調査では、ページの表示が0.1秒遅くなるごとに売上が1%下落することが分かっています。
せっかく購入する気でサイトを訪問したユーザーを離脱させてしまうのは、勿体無いと同時に他社製品に流れてしまうきっかけを与えてしまうのでページの表示速度改善はSEOだけでなく、売上貢献にも大切です。
記事コンテンツで潜在層へのリーチ
記事コンテンツで潜在層へのリーチも長期的な目線で大切です。事業や製品に関わるKWでもknowクエリと言われる情報収集がユーザーの主目的となっているKWを獲得して自社商品を紹介することで、販促に繋がります。
短期的にはBUYクエリでの上位が大切ですが、中長期の集客を考えればBUYクエリで獲得した売上の一部を記事コンテンツに投資することでより長期での集客を見込むことができます。
コンテンツSEO概要や上位表示させる具体的な記事作成方法を知りたい方は、SEO対策の記事書き方【19原則】文章構成の作成方法を詳しく解説をご覧ください。
SEOライティングを詳しく知りたい方は、考え方とテクニック、ノウハウを全てまとめた「SEOライティングの基本!上位獲得が狙えるコツやテクニックを徹底解説」をご覧ください。
関連記事:ECサイトでするコンテンツマーケティングとは?メリットとやり方を解説
ECサイトで効果的なテクニカルSEO対策
サイトが大規模であればあるほど、即効性がありレバレッジの効く施策を行うべきです。
それが、予算を抑えつつサイトのグロースを早める秘訣です。
効果的なテクニカルSEOの一部をご紹介します。
アンカーテキスト、内部リンクの調整
まず、全てのECサイトで行うべきテクニカルな施策として、サイト全体のアンカーテキスト(内部リンク)の修正です。ページの順位はドメインの強さやページコンテンツのリッチさや正確性だけでなく、内部リンクのアンカーテキストの質が大きく関わってきます。
特に、ECサイトの場合はカテゴリーページのリンクは必然的に多くなるため、このアンカーテキストを修正することは大きな効果が期待できます。
ページネーションによる重複タイトルの解消
商品点数の多いECサイトであれば、ページネーション(2ページ目 3ページ目)は必ずといって良いほど存在します。しかし、2ページ目以降も1ページ目と同じタイトルがついていることで、重複するタイトルのページが量産されてしまいます。
複数のカテゴリーページがある場合は、サイト全体で数百といった重複タイトルページが存在することも珍しくありません。
関連記事:重複コンテンツとは?SEOへの影響とGoogleペナルティ基準を解説
ALT属性の記入
画像について説明する「ALT属性」はECサイトの重要なSEO対策になります。バーティカル検索が「ショッピング」「画像」のKWでは、サイトを訪問せずに画像から気に入った商品のページに遷移するユーザー行動が見られます。
テキストよりも視覚的にユーザーに訴求することができる、画像検索で上位表示することはECサイトのトラフィック数を増加させるために必要です。
画像サイトマップ(images_sitemap.xml)の実装
sitemap.xmlはページURLをGoogleのbotに正しく伝えるために必要です。sitemap.xmlはECサイト以外でも重要なため、実装されているケースがほとんどです。しかし、その画像版ともいうべきimages_sitemap.xmlが入っていないECサイトは世の中に多く存在します。
ECサイトは画像点数が多くなり、botの自然な回遊とインデックスだけに任せていると長い時間がかかったり画像検索に表示されないといった状況が起こり得ます。
きちんとimages_sitemap.xmlもFTPに実装し、Googleサーチコンソールで送信することで効果を発揮します。
販売終了ページへのリンクを削除
存在しないページへの内部リンクの設置は、ユーザーから印象が悪いだけでなくbotからもマイナス要因として捉えられてしまいます。
新商品をアップするのも大切ですが、廃盤になってページが削除されている場合はそのページへのリンクを削除することも大切です。
構造化データの実装
構造化データとは、明確に定義されたデータ型とフォーマットを持ち、容易に検索やアルゴリズムによる処理が可能なデータの形式です。ECサイトでは、BreadcrumbやReview等の構造化データがあります。
ECサイトはページ数が大規模になりがちなので、botに正しく情報を伝えるためにも構造化データはなるべく実装したいところです。
SEO内部対策について詳しく知りたい方は、「SEO内部対策とは?の疑問を全て解決!初心者でもわかりやすく対策手順を図解」をご覧ください。
関連記事:ECサイトでするコンテンツマーケティングとは?メリットややり方を解説
企業規模別のECサイトSEO対策順序
ECサイトのSEO対策は、ランチェスター戦略がそのまま応用できます。
リーディングカンパニーは、マスを抑えつつニッチKWを対策して、後発企業の成長を抑える必要があります。
中堅、スタートアップ企業は大企業が獲得できていないテールワードやニッチの領域でアクセスや指名検索を獲得し、徐々にマス(アクセス数の多いKW)へ進出することが大切です。
業界大手企業の場合
ランチェスター戦略でいう「強者」にあたる業界大手、リーディングカンパニーのSEO戦略について解説します。
テクニカルSEO施策でBUYクエリの単一KWを狙う
すでにマーケットでのリーディングカンパニーの場合は、単一KW(例「パーカー」)を狙いうための戦略立案を行います。すでに大規模なECサイトを持っている企業も多いですが、ご依頼を頂いた時点で改善余地があるサイトが多いのが実情です。
この場合は、新規コンテンツの作成ではなく、テクニカルSEO施策を重点的に行い「本来獲得できているはずのKW」の順位を向上させることを優先的に行います。
そうすることで、短期的にアクセス向上、売上増加に繋げることが可能になります。
BUYクエリのテールワード(2語)を獲得していく
テクニカルSEO施策にて、「本来獲得できるはずのKW」の順位を向上させた後、新規ページ作成に移ります。その場合もKWベースで戦略を立案することで、一からコンテンツを作成するのではなく、情報を整理してページに掲載できるパターンが多くあります。
一見、やることは多く思えるのですが、すでに製品のデータっベースがある程度整理されている場合は大きな手間をかけずにテールワードを獲得することができます。
例:「パーカー レディース」であれば、製品のデータベースと連携して、レディースのみを抽出してページ作成を行います。
SEO記事でknowクエリを獲得していく
単一KW(例「パーカー」)や2語(「パーカー レディース」)のBUYクエリを獲得できたら、「〇〇とは?」のknowクエリを獲得します。knowクエリは直接はECサイトの売上には貢献しにくいですが、アクセス数を集められる、サイトのテーマ性の向上といったメリットが存在します。
売上にならないからといって、ここを疎かにしてしまうと 中堅以下の企業に獲得されてSEOでの順位で負けてしまうということが起こり得ます。
関連記事:SEOキーワードの選び方。選定手順と効果的な戦略を解説
SNS、SEO等全ての媒体でマスを制していく
大手企業の場合は、SNS SEO全ての媒体でブランド力と製品力の強さでマス層に届かせることが大切です。そのためには、担当者の配置や各媒体の外部ベンダーと協力してプロジェクトを推進していくことが大切です。
中堅規模企業の場合
業界シェア数%の中堅規模の会社の場合は、リーディングカンパニーとのSEOでの戦い方が異なります。
ただし、SEOを対策することで、業界一位の企業に勝つことは往々にしてあります。
特に、日本のECサイト周りのKWでは「KWベース」でユーザーニーズを定量的に把握することを行なっていない大企業ECサイトが多々あるため、十分に勝つことは可能です。
現に、当社のご依頼頂いたクライアント様では、業界シェア3%ながら 単一KWでAmzon、楽天と上位3位を争っているKWも多々あります。
大手ドメインが獲得していない、テールワードのKWを獲得する
まず、単一KWではなくテールワード(2語)の獲得KW増加及び、順位向上に着手します。
目的は2つあり、一つは「短期的に売上を増加させる」、「獲得KWおよびトラフィックを増やして単一KWの順位を向上させる」ことが目的になります。
月間検索Volが300-2,000程度のKWであれば、大手企業が力を入れていないKWも多く存在するため比較的短期間で順位向上を見込むことができます。
しかし、このKWの選定が非常に難しく この選定を疎かにしてしまうと長期的に順位を上げ続けることが難しくなるため重要な工程になります。
この場合、ツールを使用すると、選定がしやすくなります。
ahrefsというツールを例に挙げると、ドメインを入力することで、自社サイトや競合サイトのキーワードを一覧で表示できます。まずは自社ドメインを入力して、どのようなキーワードで上位を獲得しているのかを把握しましょう。
そして、競合ドメインを入力してキーワードを表示させ、獲得できていないキーワードをスプレッドシートなどにまとめていきます。こうすることで、競合にはないキーワードを網羅できるため、コンテンツを作成するうえでの武器になります。
テールワードの順位が上がってから単一KWで順位を向上させる
テールワードでの順位獲得ができたら、単一KWでの上位表示を狙います。
各ページからの内部リンク構造
適切なリンクビルディングでドメイン評価を向上させる
リーディングカンパニーにSEOで勝つためには、適切なリンクビルディング(被リンク対策)が必須です。
大手企業は、すでにCMであったり大規模プロモーション、決済会社との提携等で多数のリンクを獲得しています。また、マス層にリーチできているため、SNSのサイテーション(引用)や指名検索数が多いため、SEOの内部対策だけを行なって勝つのは困難です。
SEOで勝つためには、適切なリンクビルディング(被リンク施策)を行うことでドメインの評価を引き上げることが大切です。
もちろん、スパムリンクのような怪しい手法ではなく、適切な事業者や行政ドメインからのリンクビルディングが大切になります。
関連記事:ドメインパワーの目安(平均)とは?上げ方・被リンク獲得手法を解説。
関連記事:SEO外部対策で実施すべきこと効果のない施策を解説
SNSを使って、指名検索数を増加させる
中規模事業者の場合は、製品の特徴を生かしてSNSアカウントの育成がSEOの観点からも重要になります。製品やブランド認知を高めることで指名検索の増加に繋がり、結果的に売上もSEOの順位も高めることができます。
スタートアップや小規模事業者の場合
最後に予算があまりかけられない、スタートアップや小規模事業者のSEO戦略をご紹介します。
指名検索でECモールより上位表示させることを目指す
小規模事業者の場合は、製品名での指名検索で1位を取ることを目標にしましょう。
指名検索でAmazonや楽天といったECモールに上位表示されてしまっていては、手数料を取られて利益率が悪くなってしまいます。
また、自社でリードを獲得できなければDRM(ダイレクトレスポンシブマーケティング)を行いにくく、指名検索での1位獲得は必須になります。
1位でも一定数はECモールに流れてしまいますが、それはユーザー特性として仕方がないと割り切ることも大切です。
強みのあるニッチKWでの獲得を狙う
指名検索以外でも集客がしたい場合は、強みのあるニッチKWでの獲得を行います。
ニッチKWは、検索ボリュームは小さいですが、ユーザーの悩みや痛み、ニーズは強く購入に繋がりやすいという特徴があります。まずは、製品のユーザーを増やすためにニッチKWでの上位を狙いましょう。
SNSやプレスリリースで、指名検索数やダイレクト流入を増加させる
「知ってもらう」ことが、スタートアップに関しては大切ですが、現在のSEOはドメインが強くなければ上位表示することが難しいのが現状です。
製品の魅力を視覚的に潜在層にリーチできるSNSは積極的に活用していきましょう。
【最後に】当社サイト 主要キーワード順位状況
以下は、当社サイトの主要検索キーワード順位状況です。
自社サイトのSEOキーワード順位の結果が示す通り、私たちの専門性と経験を駆使して、サイト立ち上げから約2年で顕著な検索順位上位表示を実現しました。最新のSEO戦略と緻密なキーワード分析を組み合わせることで、お客様の可視性を高め、競合他社との差別化を図ります。
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