コンテンツマーケティングとは?具体的な手法・成功事例・目的設定を徹底解説
コンテンツマーケティングは、あらゆるコンテンツを通して、商品やサービスの訴求を行うマーケティング手法です。SEOやSNS、動画などさまざまな方法があり、ウェブページを作成することだけがコンテンツマーケティングではありません。
この記事では、コンテンツマーケティングがどのような手法なのかを紹介し、成功事例や実践する際の目的設定などを紹介するので参考にしてください。
コンテンツマーケティングとは?
コンテンツマーケティングとは、コンテンツ(テキストコンテンツ・動画など)を使用するマーケティング手法です。目的によって行う方法が異なり、潜在層に向けて集客を行うマーケティングもあれば、既存顧客や顕在層に向けて集客を行うマーケティングもあります。
自社の商品やサービスを認知させる目的で行えるほか、商品訴求などにも使えます。
具体例を挙げると、以下のとおりです。
【コンテンツマーケティングの例】
- 商品やサービスの使い方を動画にしてSNSで配信する
- 無料の商品カタログを配布する
- セミナーやウェビナーを行う
- Webでダウンロードできる資料の配布
集客フェーズでは、商品やサービスに興味を持ってもらうことが目的なので、無理に売り込みをすることはありません。コンテンツを配信し続けて、ユーザーの購入・登録を促進することが、一番の目的といえるでしょう。
コンテンツマーケティングにおける「コンテンツ」
コンテンツマーケティングにおけるコンテンツは、ユーザーが欲している情報を、なんらかのコンテンツで形にしたものをさします。
現在閲覧している記事もコンテンツであり、そのほかには以下のとおりです。
近年、TikTokやYouTubeShortsの流行から、短尺動画で情報発信をする企業が増えています。また、動画からセミナーやウェビナーに誘導することもあれば、資料請求などに促すこともあります。
テキストだけでは伝えられない情報を、別のコンテンツで紹介することで、ユーザーに理解してもらいやすくなります。
そして、ユーザーが欲しているコンテンツを提供すると、集客やリード獲得にもつながります。
また、コンテンツマーケティングにはBtoB向け・BtoC向けがあります。
弊社では主にBtoB向けのコンテンツマーケティングを行っており、以下の記事にて詳細をまとめているので、合わせて参考にしてください。
>>BtoBコンテンツマーケティングとは?具体的な手法や5つの成功法則
4W1Hを意識したコンテンツ作成
良質なコンテンツを作成したところで、集客ができていないと閲覧してもらえません。
例えば、コンテンツを提供したいユーザーが、普段動画を見ない人だとします。そのユーザーに、動画コンテンツを作成したところで、本人にはなかなか届きません。
しかし、そのユーザーが日常的にニュースサイトやメディアを見るユーザーなら、テキストやブログ記事を提供することで、閲覧される可能性があります。
そのため、コンテンツマーケティングでは、4W1Hを意識したコンテンツ作成が重要です。
- When:いつ
- Who:誰に(ユーザー)
- What:何を(どういう情報を)
- Where:どこで(媒体)
- How:どういう手段で伝えるか
これらを意識することで、ターゲットに適切な情報を届けられるようになります。
ターゲットとなるユーザーが、普段からどのような場所で、どういう情報を調べようとしているのかを把握すると、適切なコンテンツを届けやすくなります。
しかし、ターゲットを絞ったり、どのようなコンテンツを発信すればいいのかわからない場合は、外注を検討することも一つの方法です。
弊社では、「BtoB企業向けのSEO記事制作代行」を行っています。お試しで1万円から発注可能なので、気になる方は参考にしてください。
コンテンツマーケティングの主な目的
コンテンツマーケティングには、さまざまな目的があります。
具体的には、以下のとおりです。
【コンテンツマーケティングの主な目的】
- 各ターゲットに向けた情報発信
- 認知度やブランド力の向上
- 採用活動や人材確保
それぞれ意識したうえで、コンテンツを作成することが大切です。
各ターゲットに向けた情報発信
コンテンツマーケティングの主な目的になるのが、各ターゲットに向けた情報発信です。
ターゲットはざっくり分類すると、3つのユーザー層に分かれます。
- 非認知層:そもそもサービスや商品について知らない・興味がない
- 潜在層:サービスや商品に興味があっても詳しく知らない
- 顕在層:サービスや商品に興味があって購入や登録の検討をしている
これらのユーザー層に向けたコンテンツを作成して発信することで、ユーザーとコミュニケーションが取れる機会ができます。
また、ユーザー層に合ったコンテンツを作成しないと離脱につながるほか、うまく成果が出ないので注意が必要です。
非認知層には、サービスや商品について知ってもらう必要があるので、動画やテキストなどで商品について紹介したり、Q&Aページを作成したりして、疑問を解決しましょう。
潜在層は、サービスや商品について認知し始めているため、より詳しい情報を提供します。
うっすら商品に興味がある状態なので、LPなどで競合製品との比較をして、自社のサービスや商品についての理解度を深めてもらいましょう。
顕在層に関しては、商品の購入を検討している・ほかの製品と比較検討している段階なので、レビューや体験談などを通して、購買意欲を促進しましょう。
認知度やブランド力の向上
コンテンツマーケティングは、認知度やブランド力の向上にもつながります。
ユーザーに必要な情報を届けることでファン化し、購入を促進します。
日常的に自社サービス・商品に関連するワードについて調べていて、すでに比較検討をしているユーザーに対し、「他とは違っていいな」と思わせることで、商品を購入する際に真っ先に思い出してもらえます。
その際、購入を一押しするために、以下の情報を提供するとよいでしょう。
【購入を一押しする際に提供したい情報】
- 商品やサービスを使用した事例
- お客様の声・レビュー・体験談
- 商品やサービスのこだわりポイント
商品が認知されないことには、購入にはつながりません。
そのため、ユーザーに適切なコンテンツを提供して認知度を高めていき、ブランド力を向上させましょう。
採用活動や人材確保
採用活動や人材確保に悩んでいるなら、コンテンツマーケティングはおすすめです。
従来の採用活動や人材確保では、求人サイトや求人広告での募集が一般的でした。
しかし、最近ではオウンドメディアにて募集する企業も増えています。
具体例を挙げると、以下のとおりです。
【採用活動におけるコンテンツマーケティングの例】
- TikTok・YouTubeにて動画を配信して企業ブランディングをする
- コンテンツSEOで上位を獲得して集客
- 公式SNSアカウントを作成して採用活動をする
そのほかにも、求人サイトを活用せずに、採用活動をしている企業は多く存在します。
求人サイトと異なるところは、コンテンツ発信によって、会社の様子をユーザーに届けられるところです。例えば、動画配信で社員が仕事をしている様子や、インタビュー動画を作成することで、求職者のニーズにマッチした採用活動が可能です。
また、現在求職活動をしていないユーザーに対しても、コンテンツに興味を持ってもらうことによって、将来的に求職活動をする際に入社を検討してもらえる可能性もあります。
現代でコンテンツマーケティングが必要な理由
現代は、多くの企業がオウンドメディアを運用して、コンテンツマーケティングを行っています。SEOやマーケティングの観点からいうと、以下の理由が関係しています。
【現代でコンテンツマーケティングが必要な理由】
- ユーザーの購買意欲の変化
- Googleのアルゴリズムが「質」を重視するようになった
- 広告コストの削減
- ZMOTの普及に伴う行動の変化
そのため、コンテンツマーケティングをする際は、その時代に合った訴求やコンテンツの提供する必要があります。
ユーザーの購買意欲の変化
昔に比べると、ユーザーの購買意欲が変わりつつあります。
従来Webサイトを含め、テレビやネット広告など、商品を売り込むような形でセールスをしていました。現代でもその形は変わっていませんが、ユーザーのネットリテラシーが高まったこともあり、広告を目にすると逆に買わなくなるようなケースも目立っています。
もちろん、ユーザーが欲している情報を広告として出稿する分には良いですが、企業の「商品を買わせたい」という意図が見え見えな広告は、逆にスルーの対象になっています。
実際、YouTubeやTikTokの広告はスキップされることが多く、バナー広告も削除して閲覧しない人も少なくありません。
また、ニコニコ動画などを運営する株式会社ドワンゴでは、以下のような声明を発表していました。
“本来表示されるはずの広告が非表示にされてしまうことで、広告収益において年間1億円以上の損失が発生しており、サービスの運営・開発へ影響が生じているとともに、クリエイター奨励プログラムの奨励金を適切に分配できていない状態にあります。
文章引用元:ニコニコインフォ”
ユーザーが広告ブロック機能を使用することで、年間1億円以上の損失が出ているとのこと。本来、認知度を高めたり購買意欲を促進したりする広告が、現代の日本では逆効果につながっているということです。
そこで企業は、ユーザーが知りたい情報をコンテンツとして作成し、コンテンツマーケティングをするようになったわけです。
Googleのアルゴリズムが「質」を重視するようになった
Googleの検索アルゴリズムは常に変化しており、現在ではユーザーファーストのコンテンツが上位表示される傾向にあります。
ドメインパワーによる信頼性の高さや、テキストだけではなく画像や動画を含めた上質なコンテンツが優先的に表示される仕組みです。
以前までは、SEOで対策しているキーワードをコンテンツに含めることで上位を獲得できたものの、現在では執筆よりも内部対策・外部対策が重要になっています。
記事単体の評価というよりも、ドメインやサイト全体の評価を重視しているため、有益なコンテンツを提供することで、上位表示が狙えます。
コンテンツマーケティングも同じように変化し、高品質なコンテンツを作成しユーザーに情報を届けることを目的とし、検索上位も獲得することで集客につなげています。
現代のSEOでは、E-E-A-Tを意識した記事が評価される傾向にあるため、意識した記事作成が重要になってきます。
SEO記事の作成については、以下の記事で詳しくまとめているので参考にしてください。
>>SEO記事の書き方【19原則】文章構成の作成方法を詳しく解説
広告コストの削減
以前は、商品を売り込む形で、バナー広告やリスティング広告をしていた企業も、広告コストの増加に伴い、削減するべくコンテンツマーケティングを実施するところも増えています。
広告を出稿したところで、うまく成果が出せずに赤字になってしまうケースもあり、費用対効果が合わずに別のアプローチに切り替える企業も増えています。
例えば、従来は広告からLPに直接アプローチをかける手法が、コンテンツを提供してユーザーとコミュニケーションをとるような手法に変わり始めています。
また、広告の出稿先も、非認知層や潜在層には表示せず、顕在層にのみ表示するようなことも行っており、必要な情報を必要なユーザーにだけ表示する動きに変化しました。
ZMOTの普及に伴うユーザー行動の変化
現代は、ネットが普及しており、調べればどのような情報でも簡単に手に入る時代です。
そのため、時代に合わせて消費者の行動も変化しつつあります。
例えば、ネットで商品を購入したり、サービスに登録したりする前に、検索サイトで調べたり、SNSで情報収集をしたりします。その後、商品を購入するか検討するようなユーザーが多いです。
これらの行動をGoogleは、「ZMOT」と呼んでいます。
あくまでも広告は商品やサービスを認知する手段であり、比較検討や購入の決定に対して営業を与えないとしています。
このことから、多くの企業ではオウンドメディアを運用し、顕在層に対してコンテンツマーケティングをしてアプローチし、ユーザーとの接点を作っています。
広告で直接アプローチをかけるよりも、集客や成果につながりやすいことが理由です。
コンテンツマーケティングにおける「トリプルメディア」とは?
コンテンツマーケティングには、トリプルメディアという考え方があります。
もともとは広告業界用語であり、以下のことを指します。
【コンテンツマーケティングにおけるトリプルメディア】
- オウンドメディア
- ペイドメディア
- アーンドメディア
それぞれ作成するメディアによって、実施する戦略が異なります。
それぞれのメディアには、「集客・発信・拡散」といった独自の目的があるため、使い分けて作成することが大切です。
オウンドメディア
オウンドメディアは、企業が管理するメディアのことを指し、Webメディア以外にもイカノメディアが含まれます。
【オウンドメディアに含まれるもの】
- 各SNS(例:Instagram、Xなど)
- YouTubeチャンネル
- メールマガジン
コンテンツマーケティングを運用する場合は、オウンドメディアを立ち上げることが大切で、各メディアでコンテンツを配信することがメインになります。
ペイドメディア
ペイドメディアは、費用を払って露出されるメディアのことです。
Web記事を作成してリスティング広告にて露出を高めたり、TikTokやInstagram、X(旧:Twitter)などのメディアで、広告費を支払ってコンテンツを表示させることも、ペイドメディアに分類されます。
また、テレビやラジオ、企業スポンサーなども含まれます。
ペイドメディアの主な目的は、非認知層や潜在層に対して、商品やサービスを認知してもらうことです。ターゲットに発信することで、適切なユーザーをコンテンツに集客できます。
その反面費用が掛かったり、ユーザーが集まりすぎるが故に、ユーザーとのコミュニケーションが雑になるというデメリットもあります。
アーンドメディア
アーンドメディアは、顧客やユーザーが、情報を発信するメディアのことを指します。
具体例を挙げると、以下のとおりです。
【アーンドメディアの例】
- ブログ
- 口コミサイト
- 無料掲示板
- Q&Aサイト(例:Yahoo知恵袋)
アーンドメディアの特徴は、既存顧客や顕在層が商品やサービスの情報を発信するため、自社レビューよりも信頼性が高いという点です。
そのため、コンテンツマーケティングを運用する際は、アーンドメディアで拡散されるような良質なコンテンツを作ることが大切です。
コンテンツマーケティングを実施するメリット
コンテンツマーケティングを実施すると、以下のメリットがあります。
【コンテンツマーケティングを実施するメリット】
- サイトへのアクセスが増える
- 作ったコンテンツが資産になる
- 広告費よりもコストを抑えられる
- SNSでシェアされやすくサイテーションが増加する
- 商品価値やブランディング力が上がる
- 潜在層・顕在層の両方にアプローチをかけられる
コンテンツマーケティングは、SEOメディア・ECサイトなどさまざまなジャンルで実践できることが特徴です。
集客からリードまで、さまざまな役割で運用できるため、成果を出したい・伸ばしたい方はぜひ実践しましょう。
サイトへのアクセスが増える
コンテンツマーケティングを作成すると、サイトへのアクセスが増えます。
ターゲットを分析して、適切なコンテンツを提供することで、興味を持ってもらいサイトにアクセスしてもらえます。
また、コンテンツマーケティングで集客したユーザーは、潜在層がメインです。
商品やサービスに登録を検討しているものの、まだ成果には至らないユーザーです。
そのようなユーザーに対してコンテンツを提供することで、中長期的にコミュニケーションをとれるようになります。
最終的には、潜在層が自社のファンになり、顕在層となったところで成果につながるわけです。顕在層に直接アプローチをかけるよりも、潜在層を増やしていくことで、将来顧客になるユーザーを増やすことが、コンテンツマーケティングの一番の目的といえます。
作ったコンテンツが資産になる
コンテンツマーケティングで作ったコンテンツは、削除しない限り残り続けます。
当然、時代やトレンドに合わせてコンテンツも更新する必要がありますが、コンテンツがあることで、継続的にユーザーと接点をつなぎ続けられるわけです。
また、コンテンツマーケティングは、一つのコンテンツから派生して、別のコンテンツを作成することも可能です。複数のオウンドメディアを運用しているなら、それぞれのコンテンツで別のコンテンツを共有するなどのやり方も可能です。
最初のうちにコンテンツを作りこんでおくことによって、それが資産になるため、作成の段階で徹底することが大切です。
広告費よりもコストを抑えられる
コンテンツマーケティングは、広告費よりもコストを抑えられるメリットがあります。
Web広告でも、ターゲットに対してコンテンツを提供できるものの、出稿している期間は費用が掛かってしまいます。また、広告をやめるとユーザーとの接点がなくなるため、配信し続けなければなりません。
しかし、コンテンツマーケティングの場合、一度作って配信すれば、提供している限りユーザーとの接点を持ち続けられます。
制作に関するコストはかかるものの、広告費のように継続的にかかるものではないため、広告費よりもコストを抑えられます。
SNSでシェアされやすくサイテーションが増加する
コンテンツマーケティングで作ったコンテンツの種類によっては、SNSでシェアされやすく拡散されることも少なくありません。
InstagramやX(旧:Twitter)などで、コンテンツを発信すれば、引用やリポストなどで別のユーザーに共有されますし、YouTubeで動画を配信すれば、SNSなどで共有してもらえます。
結果として、サイテーションが増加し、コンテンツ全体の評価が高まります。
サイテーションとは、引用や言及のことです。
SNSなどで第三者に共有されると、信頼度が高まります。
共有されたコンテンツから、別のユーザーの集客も獲得できるほか、認知度も高まるので、メリットと言えるでしょう。
商品価値やブランディング力が上がる
コンテンツマーケティングは、商品価値やブランディング力が上がることもメリットの一つです。まだ認知されていない商品をアプローチする場合、ユーザーと何かしらの接点を作らなければなりません。
そこで重要になってくることが、コンテンツの作成です。
ユーザーが求めるコンテンツを作成し、適切なタイミングで発信することで、閲覧させる機会を作ります。コンテンツに興味を持てば、SNSならフォロー、ブログなら通知をしてくれます。
これらを継続的に行うことで、商品価値やブランディング力が高まり、多くの人から認知されるようになります。
潜在層・顕在層の両方にアプローチをかけられる
コンテンツマーケティングでは、コンテンツ次第で潜在層・顕在層の両方にアプローチをかけられます。集客フェーズでは、潜在層にアプローチをかけることがメインです。
商品に興味があっても、購入には至らないユーザーなので、商品やサービスの使い方や、ユーザーの悩みを解決するコンテンツを作成してアプローチしましょう。
ある程度ファン化が出来たら、顕在層にアプローチをかけていきます。
顕在層は比較検討をしている段階なので、商品の詳細を伝えたり、商品レビューや体験談を提供するコンテンツを作成します。
どちらのターゲットにもアプローチをかけることで、集客やリード獲得、コンバージョンへと繋げられます。
コンテンツマーケティングのデメリット
コンテンツマーケティングには、いくつかデメリットもあります。
実践する前に、それぞれ把握しておきましょう。
【コンテンツマーケティングのデメリット】
- コンテンツ作成に時間がかかる
- ユーザーの反応を常に調査・分析する必要がある
コンテンツマーケティングは、コンテンツを必ず作成する必要があります。
そのため、コンテンツを作成するリソースがないと、実践できないので注意しましょう。
コンテンツ作成に時間がかかる
コンテンツマーケティングは、コンテンツの作成に時間がかかるデメリットがあります。
コンテンツを作成するまでに、ざっくり以下のことをしなければなりません。
【コンテンツ作成をする際にすること】
- コンテンツを配信するターゲット層の分析
- ペルソナの設定
- KPIの設定
- コンテンツ作成チームの確保
- コンテンツ作成
作りたいコンテンツがあっても、即作成に移れるわけではありません。
ターゲットを分析したうえでペルソナを設定し、チームを組んで作成という流れになります。そのため、ターゲットの設定からコンテンツ作成までに、1か月以上かかることも珍しくありません。
コンテンツ作成にリソースが割けない場合は、外注化を検討することも一つの方法です。
弊社では、BtoB向けにサイト制作サービスを行っているため、気になる方は以下のページを参考にしてください。
ユーザーの反応を常に調査・分析する必要がある
コンテンツマーケティングでは、ユーザーの反応ありきの手法です。
ユーザーにとって有益なコンテンツを提供しているなら、ユーザーから評価されます。
しかし、すべてのコンテンツが評価されるとは限りません。
分析ツールを使えば一目瞭然で、ユーザーの反応がすぐにわかります。
コンテンツマーケティングを成功させるためには、継続的にコンテンツを発信することが大切です。
コンテンツマーケティングの流入経路と手法
コンテンツマーケティングには、以下の流入経路があります。
【コンテンツマーケティングの流入経路】
- 検索流入
- SNS流入
- 動画流入
- オフラインでの流入
それぞれの流入に合わせて、コンテンツを作成することが重要です。
検索流入
検索流入は、コンテンツマーケティングでもメジャーな流入経路です。
GoogleやYahoo!などの検索エンジンから、ユーザーを流入させる方法になります。
検索流入は、対策キーワード次第で、潜在層や顕在層の両方を流入可能です。
コンテンツマーケティングを行う場合、コンテンツSEOがメインになります。
テキストコンテンツがメインで、画像や動画を記事内に含めることで、記事の評価を高めていきます。良質なコンテンツを作ると、記事だけではなくサイト全体の評価も高まり、検索結果で上位表示しやすくなります。
弊社では、検索流入を促進するために、SEO対策のコンサルティングを実施しています。
自社サイトのアクセスが伸び悩んでいる場合や、うまく集客につながっていない方は、以下のページを参考にしてください。
SNS流入
コンテンツマーケティングと相性が良いのが、SNS流入です。
商品やサービスにもよりますが、SNSと相性がいいものなら、検索流入以上の効果を期待できます。主に利用するSNSは、InstagramとX(旧:Twitter)です。
それぞれユーザーの属性が違うため、こちらも商品やサービスによって使い分けるとよいでしょう。
【各SNSのユーザーの属性】
- Instagram:画像や動画コンテンツ好むユーザー
- X(旧:Twitter):テキストコンテンツを好むユーザー
Instagramのユーザーにテキストコンテンツを提供したところで、集客にはつながりません。SNS流入を狙う場合は、ターゲットやコンテンツに合わせたSNSを活用しましょう。
動画流入
近年、テキストコンテンツよりも動画コンテンツを閲覧するユーザーが増えています。
その背景として、YouTubeやTikTokが台頭してきたことが関係しています。
いずれも気軽に動画を閲覧でき、最近ではGoogleで検索するよりも、YouTubeやTikTokなどで動画を検索するユーザーも少なくありません。
使い方や商品レビューに関しては、テキストよりも動画のほうが伝わりやすいです。
また、動画コンテンツも、15~30秒程度のショート動画が人気で、企業も公式アカウントを作成して配信しています。
動画流入は、多くの人にリーチをかけられるほか、視覚的に情報を伝えられるため、商品やサービスを明確に伝えたいときにおすすめです。
オフラインでの流入
潜在層には、オフラインでの流入も最適です。
これまで紹介した流入方法は、あくまでもオンラインで行うことです。
オフラインとは、実際にユーザーと会って交流を深めることであり、セミナーがいい例としてあげられます。
セミナーを開催することをSNSなどで告知し、ユーザーとの最初の接点をセミナーにします。ユーザーに直接アプローチできるほか、一気にファン化できることもあります。
ある程度の認知度が必要になりますが、開催したときのリード獲得率は高いので効果的です。
コンテンツマーケティングとコンテンツSEOの違い
コンテンツマーケティングは、テキストコンテンツや動画などを使用して、潜在層・顕在層にリーチをかけるマーケティング手法です。
一方、コンテンツSEOは、コンテンツを作成して検索結果で上位を獲得することを指します。作成する内容にもよりますが、テキストだけではなく画像や動画を記事内に含めることもあります。
そのため、「コンテンツSEO=コンテンツマーケティング」と考える人も少なくありません。しかし、あくまでもコンテンツSEOはコンテンツマーケティングの一部です。
こちらの図のように、SEOのなかにコンテンツSEOがあり、SEOもしつつコンテンツマーケティングもするため、どちらの要素も含まれています。
コンテンツSEOを作成する目的にもよりますが、一番の目的は検索結果で上位表示をすることです。一方、コンテンツマーケティングには複数の目的が存在します。
【コンテンツマーケティングの複数の目的】
- 集客
- 潜在層・顕在層に向けたクロージング
- CRM(既存顧客との関係構築)
そのため、コンテンツSEOにだけ力を入れると、集客だけに傾いてしまい、成果が出づらくなることも少なくありません。これを避けるためにも、コンテンツマーケティングも合わせて行いつつ、均衡を保つことが大切です。
SEOにおけるコンテンツマーケティングについては、以下の記事で詳しくまとめています。
>>コンテンツマーケティングとコンテンツSEOの違いは?意味や目的の違いを解説
コンテンツマーケティングでSEOを活用する方法
コンテンツマーケティングでは、SEOを活用することで集客や成果が出やすくなります。
うまく活用する場合は、以下の方法を実践しましょう。
【コンテンツマーケティングでSEOを活用する方法】
- 自然検索流入を意識したキーワード選び
- 内部対策をしてSEOに適したものにする
- 定期的にリライトして更新する
コンテンツを量産することを意識するのではなく、あくまでも質を意識することを念頭においておきましょう。
自然検索流入を意識したキーワード選び
コンテンツマーケティングで、SEOを活用するなら、自然検索流入を意識してキーワードを選ぶ必要があります。SEOにおいてキーワード選定は重要で、集客に大きく関係します。
ユーザーに対して閲覧させたいコンテンツがあるなら、そのターゲットに応じたキーワード選定をしましょう。その際におすすめなのが、Googleが無料で提供しているキーワード選定ツールです。
「コンテンツマーケティング」で調べると、月間検索ボリュームが出てきます。
ボリュームが高いほど上位を獲得する難易度は高くなりますが、獲得できたときに大幅な集客につながります。立ち上げて間もない時は、ロングテールキーワードを中心に狙うとよいでしょう。
ロングテールキーワードとは、ボリュームが少なく継続的にアクセスがとれるキーワードのことを指します。このキーワードで上位を獲得して、サイト全体の評価を高めて、ミドルキーワード・ビッグキーワードで上位を獲得することが、コンテンツSEOの正攻法です。
キーワード選定については、以下の記事でも詳しく紹介しているので、参考にしてください。
内部対策をしてSEOに適したものにする
SEOでは、内部対策をすることも重要です。
現在のSEOは、テキストコンテンツも重要ですが、それ以上に内部対策をすることの重要性が求められつつあります。
SEOにおける内部対策は、以下が挙げられます。
【SEOの内部対策について】
- パンくずリストの設置
- 重複コンテンツの削除
- ディスクリプションの設定
- アンカーテキストの設定
- 画像にalt属性を設定
- 構造化データのマークアップの設定
- 内部リンクの設置
コンテンツマーケティングでも、適切なコンテンツに誘導できるように、内部対策を徹底して行いましょう。SEOの内部対策に関する詳しい内容は、以下の記事でまとめています。
>>SEO内部対策とは?『施策重要度』と『効果』を一覧で解説
定期的にリライトをして更新する
SEOに限らず、コンテンツマーケティングにおけるコンテンツは定期的に更新することが大切です。特に、SEOは定期的にリライトをしなければなりません。
リライトとは、コンテンツをアップデートすることを指し、以下のような方法で行います。
【リライトをする方法】
- 競合サイトに含まれている情報を反映する
- 競合サイトにはない独自情報を含める
Googleのアルゴリズムは常に変化しており、定期的なリライトが必要です。
リライトをしないと、古い情報をユーザーに提供することになり、質が悪いコンテンツを届けてしまうからです。
例えば、こちらのコンテンツ。
投稿して数か月は1~2位を獲得していましたが、放置した結果順位が下落しました。
こちらの記事のセッションは、ほとんどありません。
コンテンツを作成する場合は、更新するリソースも用意しておくことが大切です。
>>SEOリライトとは?効果を最大化する記事選びの方法とタイミングを解説
コンテンツマーケティングの戦略の立て方・流れ
コンテンツマーケティングをする際は、戦略を立てたうえで行うことが重要です。
具体的には、以下の流れで進めていきます。
【コンテンツマーケティングの戦略の立て方・流れ】
- KGIとKPIを設定する
- ターゲティングを設定する
- カスタマージャーニーを作成する
- コンテンツの設計をする
- コンテンツを制作して配信する
- 効果測定
これらの流れを意識することで、効果的なコンテンツマーケティングができるようになります。
1.KGIとKPIを設定する
コンテンツマーケティングを始めるにあたって、KGIとKPIの設定は重要です。
それぞれ紹介すると、以下のとおりです。
【KGIとKPIについて】
- KGI:目的を達成するための最終的なゴール(例:売上○○%増加など)
- KPI:KGIを達成するうえでの目標
コンテンツマーケティングの場合、フェーズによってKGIは異なりますが、最終的には商品の購入やサービスの登録になります。
コンテンツを作成するにあたって、KGIとKPIの設定は非常に重要な役割があるので、念入りに行いましょう。特に、KPIの設定は重要で、以下のように設定しましょう。
KPI | 内容 | 例 |
獲得したリード数 | コンテンツから発生した問い合わせなど | 1,000件 |
商談数 | リードから商談に発展した数 | 100件 |
商談獲得単価 | 1商談当たりにかかった費用 | 30,000円 |
セッション数 | コンテンツから訪問した数 | 20万アクセス |
コンバージョン率 | リード獲得/セッション数 | 0.5% |
KPIを明確に設定しておくと、コンテンツマーケティングに割ける、時間的・人的リソースの目安が立てやすくなります。また、リードやコンバージョンを獲得する意味でも、必ず設定しましょう。
2.ターゲティングを設定する
KPIを設定したら、ターゲットを設定します。
どのユーザーに対して、コンテンツを配信するかを明確にすることで、コンテンツを配信した時のミスマッチを避けられます。一般的には、4W1Hの考え方で決めていきます。
発信する時間やコンテンツの内容、誰に配信するかを明確にし、ターゲットを決めましょう。また、合わせてペルソナを設定すると、買い手のニーズがわかり、より細かいターゲットにコンテンツを配信できるようになります。
その際は、以下のことを意識しながら、ペルソナを設定します。
【ペルソナの設定方法】
- 顧客について分析する・推測する
- 顧客の情報を徹底的に集める
- 具体的な人物像を立ててペルソナを作成する
性別や職業だけではなく、趣味や会社におけるポジション、悩みやニーズなどより明確にすることによって、コンテンツの質が高まります。
3.カスタマージャーニーを作成する
ターゲットを設定したあとは、カスタマージャーニーも設定します。
カスタマージャーニーとは、商品の購入やサービスの登録を促進する目的で、潜在層・見込み客がアクションを起こすまでを時系列でまとめたものです。
カスタマージャーニーを作成することで、コンテンツ配信のタイミングがわかり、ユーザーとどのようにコミュニケーションをとればいいのかがわかります。
作成する際は、以下のことを意識しましょう。
【カスタマージャーニーを設定する際に抑えておきたいポイント】
- ユーザーニーズを明確にする
- 次のアクションに至るまでの行動を把握する
- 次のアクションに至らない原因を把握する
それぞれのステップで、提供するコンテンツを明確にすることで、リードの獲得やコンバージョンにつなげられます。
4.コンテンツの設計をする
コンテンツを制作できる準備ができたら、いよいよコンテンツ設計をしていきます。
このステップでは、以下のようなことを行いましょう。
【コンテンツ設計で行うこと】
- コンテンツ制作チームを組む
- チーム内で目的やターゲットを共有する
- チーム内でのスケジュールの確保・共有
これらを行うことによって、良質なコンテンツを作りやすくなります。
コンテンツ設計では、どのようなターゲットにどのコンテンツを配信するかを考えましょう。ユーザーにあったコンテンツを、チーム内で共有しながら決めていきます。
5.コンテンツを制作して配信する
コンテンツの設計が完了したら、いよいよコンテンツの制作です。
この際、ある程度リソースを確保しておくことが大切で、ユーザーにとって有益な情報を提供できるようにしておきましょう。
コンテンツができたら配信をしますが、こちらもターゲットに合わせた時間帯に配信します。
可能な限り、ターゲットに適した形で配信できるように調整しましょう。
その際、すべてのコンテンツを手動で配信することは難しいので、予約投稿機能を使用するなどして配信すると良いです。
6.効果測定
コンテンツ制作をして配信までしたら、効果測定を行います。
設定したKPIをどれくらい達成したのかを明確にして、分析しましょう。
目標達成の有無にかかわらず、コンテンツは更新したほうが良いです。
目標を達成した場合は、さらに成果が出るように調整し、達成しなかった場合は、原因を調べて、配信するコンテンツを改めます。
コンテンツマーケティングにおける効果測定は、集客やリード獲得に大きく関係するので、必ず行いましょう。
コンテンツマーケティングの事例
大手企業では、さまざまなコンテンツマーケティングを行っています。
今回は、BtoCを例に挙げて、実際にコンテンツマーケティングを実践している企業の事例を紹介します。
【コンテンツマーケティングの事例】
- ダイソー
- サントリー
- オムロン
- 近鉄不動産
- 愛媛自治体
近年では、各自治体でも認知度を高めるためにコンテンツマーケティングを実施している程です。それぞれの例を参考にして、自社コンテンツにも生かしていきましょう。
ダイソー
画像引用元:ダイソー
100円ショップで有名なダイソーは、Instagramを用いたコンテンツマーケティングを行っています。2024年5月時点でのフォロワー数は、190万人以上と非常に多いです。
ダイソーのInstagramで投稿されている内容は、店舗で販売されているグッズの実例です。
ダイソーほどの知名度があれば、認知度を高める必要はなく、投稿されている内容のほとんどが、ダイソーに来る顕在層向けのものです。
こちらが投稿の例ですが、グッズの使い方を説明するものもあれば、宣伝をすることもあります。ダイソーのコンテンツマーケティングの上手なところは、ユーザーに「商品を買いたい!」と思わせるところです。
写真の撮り方や、配信の仕方を工夫しており、その季節に合った投稿を定期的に行っています。実際、写真を見たユーザーの多くは、ダイソーにその商品を買いに行くことでしょう。
SNSを用いたコンテンツマーケティングのなかでは、非常に成功している事例と言えます。
サントリー
サントリーは、SNSを用いたコンテンツマーケティングをよく行っており、YouTubeではさまざまな動画が公開されています。
人気タレントを用いた動画作成がメインで、最近ではテレビCMなどが公開されています。
また、ストーリー性がある動画も評判です。サントリーといえば、「お酒」のイメージがありますが、適切な量の飲酒を推奨するようなストーリー性がある動画を公開しています。
これらの動画は、企業ブランディングを高めるほか、サントリーの認知度向上につながっていると言えます。
オムロン
体温計やヘルス用品で有名なオムロンは、メタバースにてBtoC向けのコンテンツマーケティングを行っています。
メタバース内にワールドを作成し、ユーザーとのコミュニケーションをとることで、自社ブランディングや認知度を高める目的で行っています。
ワールド内では、オムロンが行っている事業が動画にて配信されています。
また、ワールド内にURLを設置することで、興味があるユーザーに対して自社サイトのコンテンツに誘導させるようなCTAも設置されています。
メタバース内のイベントでは、自宅でできるバーチャルトレーニングをレクチャーするなどしています。特定のユーザーに向けたマーケティングにはなりますが、確実に興味があるユーザーに対してリーチできることもあって、効果的なマーケティングと言えるでしょう。
近鉄不動産
あべのハルカスを運営する近鉄不動産も、メタバース内にワールドを作成し、BtoC向けのコンテンツマーケティングを行っています。
バーチャルあべのハルカスでは、現実のあべのハルカスが再現されており、バーチャル内でできるさまざまな体験を通して、認知度を高める目的があります。
ワールド内は、近鉄不動産のブースが公開されていて、バーチャル内でモデルルームの閲覧が可能です。モデルルームは細部まで作りこまれており、内見をしなくてもバーチャル内で体験できます。
企業ブランディングができるほか、あべのハルカスの認知度を高めつつ、近鉄不動産としての認知度も高められるため、効果的なコンテンツマーケティングと言えるでしょう。
愛媛県自治体
近年では、地方自治体や国もメタバースを活用しています。
愛媛県自治体がいい例であり、メタバース内にてワールドを作成することで、知名度を向上しようとコンテンツマーケティングを行っています。
愛媛県の主要な観光地をメタバースに作成することによって、愛媛にいかなくてもバーチャル内で体験が可能です。
これらの施策は、愛媛県全体のPRになるほか、観光客が増えるきっかけにもなります。
また、ワールドに訪れる多くは、興味本位で訪れるユーザーなので、非認知層・潜在層・顕在層のすべてを確保できます。地域を活性化するという意味で、メタバースを使う方法は非常に効果的と言えるでしょう。
そのほかの事例については、以下の記事で詳しくまとめています。
>>コンテンツマーケティングの成功事例15選|成功する企業の特徴は?
コンテンツマーケティングまとめ
コンテンツマーケティングは、集客やクロージング、CRMまでさまざまな目的を設定して実践できます。オウンドメディアを作成して、いまいち成果が出ない場合は、コンテンツマーケティングを実践しましょう。
近年では、多くの企業が自社サイトでオウンドメディアを運用し、さまざまなコンテンツマーケティングを実践しています。
成果が出れば、コンテンツ自体が資産になるので非常におすすめです。メディアの特徴によって、実践するコンテンツマーケティングが異なるため、まずはどのコンテンツが最適なのか調べたうえで実践しましょう。