失敗しないインサイドセールス立ち上げ方を公開!立ち上げた責任者が手法を語ります

私は2021年6月にBtoB企業向けの無形サービスのインサイトセールス立ち上げ責任者に任命され、マーケティング部門/インサイドセールス部門/フィールドセールス部門をまとめリード獲得から受注までのフローと仕組みを構築しました。立ち上げから約3ヶ月で以下の変化がありました。

  • 資料DL数 0件→60件
  • 問い合わせ数 1件→12件
  • 商談数 1件/月→6件/月

既にアクセスのあるメディアがあったため、全く0からの立ち上げではないですが3ヶ月で改善したポイントと実行した内容はこれからインサイドセールスを立ち上げる方や立ち上げ最中の方にお役立ちの内容になってると思います。実際に私がインサイドセールス立ち上げ前後で気をつけたポイントや、ネックになったポイントなど立ち上げ段階のインサイド体制の成功率を上げるための内容をお話しします。

インサイドセールスのやり方や目的についてはまず理解されたい方はこちらの記事をご覧ください。

【関連記事】インサイドセールスのやり方とコツを具体的に解説

インサイドセールス立ち上げで気をつける13のポイント

インサイドセールス立ち上げ前のポイント5つ

①自社の商材とインサイドセールスの相性を見極める

この記事を読まれている方は、BtoB企業のご担当者様だと思いますが、BtoBサービスも業界によって様々です。インサイドセールス導入にあたり、まず確認するポイントは以下になります。

・有形サービスか無形サービスか

導入しやすいのは無形サービスになります。理由はオンラインで完結できるサービスが多いのでインサイドセールス導入でかなりの効率化を見込めます。例えば、SaaSと呼ばれるインターネットツール導入サービスやITサービスとは相性がいいです。

有形サービスの場合は、実際にお客様と会って提案営業するケースが多いためどこのフローをインサイドセールス導入で効率化させたいのか目的をはっきりする必要があります。そして導入をした際、どの程度コストカットや売上に変化がありそうかをシュミレーションして、導入コストと比較して費用対効果が合うと判断した際に導入することをオススメします。

・商材単価

一般的に、商材の単価が低いほどインサイドセールスを導入してオンラインで受注まで完結できる確率があがります。逆に商材単価が高すぎるとオンラインで完結せず、実際に会って提案する場合が多いため、自社の商材単価もインサイドセールス導入にあたり意識する必要があるポイントです。

②社内のリソース状況を見極める

インサイドセールスを立ち上げるには、人材と時間とお金を費やす必要があります。

以下のイラストフローの通り、マーケティング領域/インサイドセールス領域/フィールドセールス領域が連携して相乗効果で売上へと貢献します。

デジタル人材が必須

インサイドセールス体制を成り立たすためには、

リード獲得のためのWEBマーケティング人材が必要でSEO対策やWEB広告運用人材が必要です。外注も可能ですが、逆に時間とお金がかかるケースがほとんどのため最近はWEBマーケティングのインハウス化に取り組む企業がほとんどです。

また、MAツールをWEBサイトに導入してサイトを修正したり、LP(ランディングページ)作成 をするときにサイト制作できる人材も必要です。こちらもMA導入業者がやってくれるプランもありますが高くつくため、自社で雇った方が早いです。※LPはリスティング広告をクリックした際表示する縦に長く商品特徴や訴求に特化した1枚のページです。「ペライチ」「スタジオ」LP作成ツールを使用すれば1万円程でWEB知識がほぼなくても作成できるのでお試しにはいいかもしれないです。MAツールにオプション機能としてある場合もあります。

MAツールを活用するためには、「スコアリング」「シナリオの設計」「メルマガ作成と配信」「サイトコンテンツ作成」「事例ページ作成」「ホワイトペーパー作成」などリードを獲得するための対策が必要です。

後述しますが、インサイドセールス立ち上げる人材はフィールドセールスで経験を積んだ人材でないと0から立ち上げ、チーム連携しながらまとめ上げ、仕組み作ることは難しいです。そのため社内で立ち上げる人材を選ぶ場合は、実績のあるリーダーに相応しい人材に任せる必要があるため、営業リソースが一時的に厳しくなります。

そのためインサイドセールスを立ち上げるためには上記を理解して、自社のリソース状況を再確認して自社で完結するのか、どこのリソースが足りなくて、足りない部分を外注することは現実的なのかをしっかり考える必要があります。

③対象となるターゲットをしっかり決めてチームで共有する

サービスを導入してもらいたいターゲットの企業規模、商圏地域、課題状況、誰に見てもらいたいのかなどマーケティング戦略から営業戦略までは繋がっているため、インサイドセールス立ち上げるリーダーとマーケティング部門、フィールドセールス部門としっかり目的や戦略をすり合わせて集客から受注までの軸をしっかり通す必要があります。またフィールドセールス部門が受注できた理由やお客様が魅力的に感じたポイントをマーケ/インサイド部門に共有することで、マーケティング戦略やアポイント設定に活かすなど3部門間の連携が成功の鍵を握ります。

④営業エースをリーダーにする

インサイド体制をつくるには、チームのマネジメントやマニュアル作成、アポイント設定のトークスクリプトやアポイント設定基準など多岐に渡ります。営業の現場で培った経験やお客様のニーズがわからなければ、マニュアルやスクリプト、アポイント設定基準などわかりません。そのため営業経験が無い人や浅い人が立ち上げ経験者になると必ず失敗するので営業経験の豊富な人を立ち上げリーダーとして抜擢します。

また欲を言えばですが、WEB集客の知識(SEOや広告)を持っているとマーケティング部門と連携がとりやすいです。

マーケティング予算を確保する

インサイドセールスを立ち上げてもリード数が確保できなければ、インサイドセールス機能が薄れてしまいます。そのため、継続的にリード獲得するためのマーケティング予算も必要になります。立ち上げ段階である程度のリード数が確保されていたり、リード獲得できるサイトやメディア、集客チャネルがあればまず既存のリードに対してアプローチ可能です。

リード数や獲得できるチャネルがない状況から立ち上げる際は、月々のマーケティング予算は必要不可欠になるため予算か集客チャネルを確保した後立ち上げるとスムーズに立ち上がる可能性が上がります。

インサイドセールス立ち上げ後のポイント8つ

①言葉の定義しっかり決めて、チームで共通認識を持つ

マーケティング、営業用語をなんとなくチームで使用していると、メンバーによって解釈や定義が異なることで正しく目標や数字を設定して振り返ることができません。そのため、インサイドセールスチーム内で言葉の定義を全員が理解して共通認識を持つことが大切です。

例)

「ホットリード」→どんな状態をホットリードと呼ぶのか。スコアリング基準を満たしたものなのか、特定のアクションをしたリードかなど。

「商談化」→何を持って商談化とするのか。見積もり依頼をもらったらなのか、とりあえず資料を欲しいと言われたらなのかなど

「案件化」→どうしたら案件化するのか。導入タイミングが3ヶ月以内なのか、サービスに興味を持って頂き定期的に接触をすれば導入可能性ある企業なのかなど

集客チャネル毎の特性」と「CVポイント毎の受注確度」を理解してリソース(予算・人員・時間)を分配する

リード獲得するための集客チャネルの特性を理解した上で自社の目的と相性を考えてチャネルの選定と予算配分、優先順位を決めていく必要があります。

SEO対策だと、集客まで半年や1年かかりますがBtoBサービスの場合中長期的に見ると費用対効果が高い場合が多いです。また広告はお金を払えば比較的簡単にリード獲得できますが、商談化率が低かったりコンペ率が高かったりします。そのため、チャネル毎の特徴を理解した後、自社サービスとターゲットに最適なチャネルを複数組み合わせてPDCAサイクルを回しながら費用対効果を検証する必要があります。

集客チャネル

WEBサイトを活用した集客方法やチャネル毎の特徴を詳しく知りたい方必見です。【関連記事】ホームページ集客はコツさえ掴めばすぐに効果を発揮します。成功する方法を具体的に解説。

次にWEBサイトのCV毎の商談化率や受注率も理解した上でマニュアル作成やCVポイントを設置する必要があります。CVとはサイト内でユーザーに起こしてほしいアクションで、以下イラストのようなイメージです。

CVポイント

お問い合わせや無料体験の場合は商談化につながりやすいですが、セミナー参加者は情報収集段階の方が多いためホットリード率が低いです。一方、サービス資料をWEBサイトから請求依頼や料金資料請求のユーザーの場合は商談化率が高い傾向にあります。

このように、CV毎のユーザーのフェーズを理解することでCV後のユーザーニーズに合ったアクションをマニュアル化してホットリードの生成と商談化を最大化できます。

マニュアルを作成する

インサイドセールス仕組み化で一番大切なことがマニュアルを作成することです。マニュアルを見れば誰でも一定以上の成果をだすことができれば属人性を無くし、組織拡大しやすくなります。

対応マニュアルの作成

問い合わせや資料ダウンロードの後の対応マニュアルを作成します。企業やサービス毎に作成するマニュアル内容は異なってくると思いますが、私が立ち上げた際はまずは無料分析を申し込んでもらいヒアリング後、アポイントを設定するという工程がありました。以下が一部マニュアル例になりますのでご参考ください。

無料分析依頼から電話までのマニュアル例

★電話をかける際、意識すること
・無料分析実施、アポイント設定までを効率的かつ確度をあげる。
・企業毎に受注角度、予算規模(年商、業種、相談内容から判断)を仮説立て
 アポイントにのぞむ
・受注獲得(数字達成)というゴールから、企業毎に分析に費やせる時間を常に逆算する。
・営業は常に受注、数字を意識して行動や作業に優先順位をつける。
 今している行動や作業は受注に必要なのかを常に意識する。
 受注や数字に繋がらない行動や作業は営業マンにとって無価値。

1.無料分析依頼メール内容確認後すぐに電話。

★ここで電話をする目的は体制やタイミング、予算雰囲気を把握することで
 無駄な無料分析内容の作成時間、内容ロスをなくすため。方向性を知る。

HPや依頼内容、年商、業種から想定される課題や効果ありそうな対策を
仮説立てアポイントにのぞむ。(調査時間5〜10分程度)

その他にもヒアリング項目や電話対応マニュアルなどがあります。

最初は必ず質より量を追う

受注率を上げるために、いきなりホットリードの定義やスコアリング設定を狭めてしまうと受注できる案件も取りこぼす可能性があります。そのため、立ち上げ初期数ヶ月は受注率は一旦度外視してアポイント数を目標に設定することをおすすめします。そこからフィールドセールス部門と定期的に打ち合わせを実施してリードの精査ををおこない、リードの質を上げていきます。大切なポイントは、受注に繋がるリードと繋がらないリードのデータを貯めてホットリードの精度を上げることです。

各部門の数字をしっかり把握して、受注数字が最大化するポイントを見つける

インサイドセールスの難しさはアポイント数が多くても少なくてもダメな点です。

インサイドセールスの役割は、企業によって異なりますがマーケティング部門が獲得したリードに対してアポイントを獲得して、フィールドセールスにパスを行うまでの中継ぎのような役割です。

「アポイントの質と量を調整する」ことがインサイドセールス部門に一番重要な役割として求められますインサイドセールスが質を追いすぎてもアポイント数が足らず、売上が落ちてしまいます。逆にアポイント数を追いすぎても、フィールドセールスの無駄な活動が増え売上が落ちてしまいます。

フィールドセールスの役割で重要なことは、フィールドセールス部門としっかり連携を取りフィールドセールスの商談数が足りない時は、質が低くてもアポイント数をパスしてあげて、商談数が足りている時は質の高いアポイントをパスすることです。全体の状況を見て、売上を最大化させるためのアポイント創出が求められます。

リード獲得から受注までの流れと数字を掴む

リード獲得から受注までの流れと数字を掴む

リード獲得単価→アポイント率→商談化率→受注率→受注という各フェーズの%で受注が決まりますが、1番ポイントになる部分は商材や状況にも左右はされますが「商談化率」です。アポイントを設定してなんとなく案内を聞きてみるかというお客様の潜在ニーズを掘り起こし顕在化させて商談化させることが上記フローの中で一番難易度が高く売上に大きく繋がってきます。そのため立ち上げ初期段階でリーダーが各フローの適正数値を過去の経験と勘から予測して数字が最大化するための型をいち早く確立する必要があります

KPIの種類や立ち上げ前後の詳しいKPI目標設定方法を知りたい方必見です。【関連記事】インサイドセールスの成果に繋がるKPI設定とは?

チームの第一義は受注にする

インサイドチームにアポイント数の目標が設定されて、メンバーがその数字を達成するため日々行動していくのですが、大切なことがメンバー全員が受注を第一義に考えて行動することです。

先述の通りインサイドセールスの役割は「質と量」の調節で売り上げを最大化することで、アポイント数ではありません。受注をゴールに設定すると本質的な行動を取りやすくなります。そのためリーダーや上長は、アポイント数だけでなく、受注へのコミット姿勢もしっかり評価するという姿勢をメンバーにみせることで安心して行動できます。

早期に売り上げを作ることを意識する

いくら立ち上げとはいえ、インサイドセールス立ち上げから2〜3ヶ月程で社内で徐々に数字の変化が求められます。今やっていることが1年後に数字に繋がったとしても、仮に半年後商談数も売上も変化がなかったらインサイドセールスチームが解体していまいます。そのためリーダーは仕組み化やマネジメントにももちろん気を配る必要がありますが、まずは最短で数字に繋がる成果をだすことが求められます。そのためには立ち上げにあたりやることが多くある中で、成果への優先順位を考えて行動していく必要があります。

そのためリーダーには強い精神力とコミット力、突破力が求められます。

自動化できる業務はツール導入で効率化

少人数で最大のパフォーマンスを出すにはツールによる自動化は必須です。インサイドセールス業務で自動化できるところがないかを考えて、ツールで代替できる業務はどんどん自動化していきます。

MAツールによるメルマガシナリオ設定

セミナー参加者の方には、特定のメルマガ内容を特定の期間に何回送るやサービス資料請求された方には、サービスに興味持って頂く方が他にも知りたい内容をメルマガで自動的に送るなど、ユーザーのアクションやフェーズに合わせて自動でメルマガを送れるようにMAツールで設定します。

ホワイトペーパーの自動ダウンロード

サイト内にホワイトペーパーダウンロードを設置している場合、毎度人力で送信していたら効率が悪いため自動でダウンロードできるように設定することをオススメします。

日程調整の自動化

セミナー申し込みやアポイント日程を調整するとき、メールでやりとりすると両者ともに非効率のため日程調整ツールを利用して日程調整URLをクリックするだけで担当者のGoogleカレンダーと連携してお客様が日時を選択できるようにしましょう。その際WEB会議の場合、ズームURLも自動で発行されるので便利です。

タイムレックスURL

レポートの自動化

サイト流入やキーワード順位チェックなど、社内で報告するたびにレポート作成は非効率です。Googleデータポータルという無料ツールで、見たい指標や項目を設定してレポートフォーマットを決めると自動でレポートが生成され、メンバーにも共有することができます。

慣れていない方にとっては、最初設定に苦労すると思いますが設定するとかなりの時間短縮ができますので無料ですのでチャレンジをオススメします。

GoogleデータポータルURL

ウェビナーの自動化

ウェビナーツールを使用してセミナー動画を録画することで、毎回リアルタイムでウェビナー開催しなくても用途に合わせて使い分けることができます。

最後に

インサイドセールス導入にあたり人手や予算、時間がかかります。そのため、自社の状況に合った導入方法と体制を築く必要があります。導入にあたって、

①リソースの確保 ②人材のアサイン ③チームの連携 ④MA導入からマニュアル作成が大切になりますので情報を収集されて最適なやり方を見つけれることを陰ながら祈っています。

「MAツールやSFAツールを活用できていない」「レベルの高い営業人材の定着や確保ができない」といった課題がございましたらインサイドセールス体制立ち上げからオンライン受注までの体制を6ヶ月で構築させるための『インサイドセールス立ち上げコンサルティングサービス』と『インサードセールス業務代行サービス』がございますので一度ご覧いただければと思います。